【トルコ ➡︎ イラン陸路越境】のあまり参考にならないすゝめ

これは何

 2025年9月20日に、トルコからイランに陸路で越境しました。陸路越境はロマンがあって良いですよね。イラン➡︎トルコ方向の陸路越境に関する情報やブログ記事は無数にあるのに、トルコ➡︎イラン方向は全く見つからなかったため、この度執筆することにしました。

 ちなみに、かなり運に助けられたので、あまり参考にならないかもしれません。

 

そもそも

 トルコ最高峰アララト山(5,137m)に登るために、トルコの東の果てにいました。この辺りはイラン・ナヒチェヴァン・アルメニアとの国境付近です。アララト登山については以下をご覧ください。

yamap.com

 9/19にアララト山を下山した後、ジョージアに向かうかイランに向かうか悩み、イランに抜けることとしました。理由としては主に以下の3点です。

 

  1. シンプルにイランという国にずっと行きたかったから
  2. 情勢的理由により、シリアのようにいつ行けなくなるかわからないので、日本人がビザ免除されている間に行こうと思ったから
  3. イラン-UAE間はフェリーが就航しており、UAEに抜ければかなり安く日本に帰れるから(結果的にフェリーは欠航になったのですが......)

 

 今回辿ったルートおよび移動手段は以下の通りです。トルコの国境の町ドゥバヤジット(Doğubayazıt)からイランの国境の町バザルガン(Bazargan)に抜けて、そこからタブリーズ(Tabriz)まで移動しました。大型バスターミナルがあるタブリーズまで行くことができれば、そこから先はなんとでもなります。

アララト山(Ağrı Dağı)がいかに国境近くにあるか分かります。

越境開始

 さて、事前情報が全くないので、ドゥバヤジットの大型バスターミナルでタブリーズに行く方法を聞きました。すると「タブリーズまではペトロ(ガソスタ)から1時間に1本ぐらいミニバスが出てるよ!料金は200リラ」と教えてくれました。旅行当時は1リラ=3.6円ぐらいなので、およそ800円です。タブリーズまで350km近くあるのに、本当にそんな格安でそんなに本数が出てるのか?と疑問に思いましたが、9/20(土)の朝5:30、アララト山に登って満身創痍の身体を引きずりペトロに向かいました。参考までに、ペトロの場所はここです。

早朝のドゥバヤジット

ドゥバヤジットは標高1,500mの町で、それなりに寒いです。ペトロの売店で熱々のコーヒーを買い、店員のおっちゃんに「タブリーズ行きのミニバスはどのぐらい後に来るの?」と聞くと、「1時間半後ぐらいかな」と言っていました。7時から運航開始ということで、バスタで聞いた情報と概ね一致します。今から1時間半もこんな所で待つのか......と若干やる気を失くしながら外に出ると、なんとタイミングよくミニバスが通りがかりました。

 

ミニバス運ちゃん「どこ行くの?」

私「タブリーズ!」

ミニバス運ちゃん「乗りな!」

 

運賃は1人100リラでした。豪運によりタブリーズ移動問題解決!めでたしめでたし

たまたま通りがかったミニバス

中は広い

とは当然いきませんでした。タブリーズ行きと聞いていたこのミニバスはなんと、国境のゲート行きだったっぽいです。どうりで安くて本数が多いわけだ。

 

越境

 というわけで国境で降ろされました。国境からイミグレまではそれなりの距離を歩かされます。アララト山がここ数日で最も奇麗に見えて感動でした。

美しすぎる山

トルコ出国は「日本人はイランビザいるのか」「いりません」と答えるだけでした。イラン側ゲートは何故か閉まっており、15分程度待たされました。この待ち時間で得た情報によると、イラン入国後はタクシー(5ドル)かバザルガン発のバスでマク(Maku)の町に行き、長距離バスでタブリーズに向かうのが普通だそうです。イランのタクシーは基本的にドルを受け取ってくれます。

 さて、日本人はイランビザが(2025年9月20日入国時点では)必要ないはずなので、当然ビザは用意していませんでした。イラン入国のパスポートコントロールで意気揚々と天下のジャパニーズパスポートを見せると、パスポートコントロールのおっちゃんが険しい顔になり、どこかに電話しだしました。電話が全く終わる気配がなく、「そこで待っていろ」とパスポートコントロールを通過した所で待たされました。

「もしかして入国拒否?」とソワソワしながら待っていると、トルコ人のおっちゃんが何の問題もなく入国してきて、お話して仲良くなりました。このおっちゃんはイスタンブールで宝石商のようなことをやっているらしく、イランで材料を仕入れているらしいです。

 おっちゃんとダラダラ話しているとパスポートコントロールのおっちゃんに呼び戻され、入国できる旨と入国スタンプを押すかどうか聞かれました。こんなところを陸路で通る日本人など0に等しいはずなので、情報が無かったんでしょうね。どうせイスラエルには行かないし、アメリカはビザ申請するつもりだったので、記念に押してもらいました。これをお読みの方は当然ご存知でしょうが、イラン入国するとアメリカにESTAでの入国はできなくなります。スタンプ拒否もできます。

イラン入国スタンプ

こうして無事にイラン入国を果たしました。がまだまだ問題は山積みです。ご存知の通り、イランは経済制裁によりクレジットカードの利用ができません。イランのお金(イランリアル・トマン)も当然持っていないため、この先どうしようかなと考えていると、先ほどのトルコ人のおっちゃんが「俺についてこい」と言いました。当てもないので、とりあえずついていくことにしました。

 

バザルガンに着くまで

 イミグレを出ると、凄まじい量の怪しい両替人と怪しいタクシードライバーに声をかけられました。彼らは恐らく無知な外国人を狙っているので、応対しないほうが良いと思われますが、どうしようもなくなったら頼るしかないかもしれません(バザルガンの町は歩ける距離にあり両替商もいくつかあるので、バザルガンまで歩いても良いかもしれません)。

 トルコ人おっちゃんが1台のタクシーを捕まえて、一緒にバザルガンの町まで移動しました。余談ですが、イランはバザルガン・マクはトルコ由来の人が多く、タブリーズアゼルバイジャン由来の人が多いため、トルコ語が通じます。テヘランやイスファハーンまで行くと、ペルシャ語しか通じなくなります。

イラン入国成功

イラン側から見るアララト山

 おっちゃんは「最初に両替商に行きたいが、まだ空いていないのでお茶をしよう」と誘ってくれました。そこでいろいろな話をし、彼が日本人に優しいのは津村諭吉さんという偉大な祖先のおかげであることを知りました。恥ずかしながら私は津村諭吉さんのことを知らなかったため、これを機に勉強しました。皆さんもトルコに行かれる機会があれば、ぜひ調べてみてください。

 余談ですが、イランではめちゃくちゃ「中国人か?(チーニー)?」と聞かれます。本当にめちゃくちゃ聞かれます。何故とは言いませんが、「日本人(ジャーポニー)」と答えられるようになったほうが良いでしょう。

お茶。イランではあらゆる場所でお茶が提供される。お腹タプタプ

 

タブリーズに着くまで

 30分ほどお茶を飲んでいたのですが、おっちゃんが「両替はタブリーズでやるので、タクシーでタブリーズまで行こう。25ドルでどうだ」と提案してきました。タブリーズまでは350km近くあり、4時間近くかかるためタクシー代が異常に安すぎないか、と若干不安になりましたが、本当に25ドルでした。

タクシーでタブリーズ

 移動中に聞いた話だと、イランは1ドルあればガソリンを50L買うことができ(さすが産油国)、またイラン人の一般月収は50ドル程度だそうです。この話を聞いて、タクシー代金の安さにある程度納得しました。ちなみに今回の話では出てこないですが、タブリーズからイスファハーンにもやむを得ずタクシーで移動しまして、1,000kmで10時間ほどかかり、なんと50ドルでした。破格すぎる。ちなみに街中移動は1、2ドル程度が相場です。

 また、次の写真のような青いトラックが大量に走っています。これはニッサンジュニアという大昔に日産が生産していた車で、イラン国内ではなんと今でも生産が行われているらしいです。

ニッサンジュニア

 

 イランの長い移動時間や待ち時間では、行動食としてひまわりの種が必携です。イランのひまわりの種は本当においしいので、手に入れるチャンスがあれば是非買ってください。最初は食べるのが難しいですが、慣れればパクパクいけます。バス待ちなど暇な時間はずっと食べてました。

 

 タブリーズの中心街に着く前に両替商に寄りました。Goodレートは2025年9月時点では1,000,000リアル(100,000トマン)で1ドルです。ハイパーインフレですね。桁が大きすぎて騙してくる両替商もいるらしいので気を付けてください。こちらのサイトが参考になります。1,000,000リアルが日本で言う10,000円のようなもの(1番高い紙幣)で、100ドル替えると100枚ほど渡されます。

www.bonbast.com

50ドル分。持ち歩きが不便

ちなみに水色の0(4つ)をすべて無視した金額(右下に書いてある金額)を1.5倍すると大体日本円になる、と考えると理解しやすいです。私はその計算式を使っていました。別の表現をすると、0を6つ消した額がドル相当ですね。

 そんなこんなで無事にイランのお金も手に入れ、タブリーズ観光にいそしむことができました。このトルコ人のおっちゃんにはタクシー代・食事代・茶代をほぼすべて出してもらった上にイスファハーンまでついてきてくれて、意味が分からないぐらい優しすぎて逆に疑っていましたが、本当にただ優しいだけのおっちゃんでした。津村諭吉さんとおっちゃんに感謝です。

世界遺産タブリーズのグランドバザール

 この後、イスファハーン行きのバスチケットは売り切れていました。長距離バスチケットは早めに買いましょう。

 

終わりに

 いかがだったでしょうか?ご覧の通り、国境までの移動はとても簡単です。国境を越えてからが勝負ですが、イランの国民性は(特に日本人に対しては)優しく、何とかなると思います。タブリーズに着けば勝ちなので、そこまでは騙されないように頑張ってください。個人的には騙されても死ぬような国ではないという印象を受けました。

 現金だけはドルでたくさん持っていきましょう。

 

↓本記事が参考になったら、ぜひ押してください。

モンゴル 5日間 2000km移動の旅 カラコルム編

これはなに

 2024年5/1~5/7にモンゴル旅行に行ってきました。5/1は釜山・北京トランジット、5/7は釜山トランジットのため、モンゴルにいたのは正確には5/2の10:50から5/7の1:50までのおよそ5日間です。この5日間で2000km近く移動しました。実際にはウランバートルを起点に2拠点をピストンしただけなのですが、モンゴルの大地が広大すぎて、かなりの移動距離となりました。

移動経路

 モンゴル旅行の情報はインターネット上に非常に少なく、私自身も現地に行って模索しながらの旅だったので、これからモンゴルに行きたい人のために情報を残しておきます。

 カラコルム編、サインシャンド編に分けて書きます。今回はカラコルム編です。

 

重要情報

1.30日までの短期滞在でモンゴルに行く場合、ビザは必要ないです。

2.治安はかなり良いです。私たちはぼったくり等の軽トラブルを含め、何一つトラブルに巻き込まれませんでした。一般的に海外に行く上で必要な心構えをしていれば、おそらく大丈夫です。

3.モンゴルでは英語はほとんど通じません。通じるのは空港スタッフと一部宿泊施設のスタッフ、一部タクシードライバーだけです。Google翻訳の力をそれなりに借りました。

4.この旅では一度もホテルに宿泊していないので、ホテルについての情報は持ち合わせていません。ホテルについて知りたい方は他のブログなりを見てください。

5.地球の歩き方を持っていくと良いです。結構お世話になることに加え、暇な時間に読むと楽しいです。

6.なんとAhamo使えます。現地SIM買わないでAhamoだけで十分でした。

7.モンゴルは日本よりだいぶ西にあるにも関わらず時差が1時間しか違わないため、遅い時間でもかなり明るいです。21時ぐらいまで行動できます。

8.食べ物はとにかく羊肉を使った味の濃い料理が多い。とても美味しいですが、正直途中から飽きます。

 

1日目

 飛行機でモンゴルに降り立ちました。見たことがないデカさの大地が広がっており、降り立つ前からかなりテンションが上がりました。

クソデカ大地

空港に降り立って、最初にモンゴルトゥグルグに両替しました。モンゴルの広大な大地の中で両替やキャッシングができるような場所はそんなに多くないので、余裕を持っておくことをオススメします。日本円への変換式はざっくり×0.04ですね(2024年当時)。

金持ち気分

 さて、初めに空港からウランバートル市内に向かいます。事前に得ていた連絡バス(Ubus)があるとの情報からバスを使おうと思っていたのですが、タクシーのお兄ちゃんに「バスは無いよ」と言われました。タクシー乗せるための嘘だろと思って空港スタッフに聞いたのですが、本当にバスは出ていないらしく(オフシーズンだから?)相乗りタクシーで向かいました。参考までに、一人20,000トゥグルグ程度でした。

空港を出たところの景色

市内に向かう高速道路。道路はとてもきれい。大地がとにかくデカい

 

 今回のプランとして、最初にかつてのモンゴル帝国の都であったカラコルム(別名ハラホリン)に行く予定でした。バスの時間は結構ギリギリでしたが、空港からバスターミナルの距離を考えると何とか間に合うはず......と思っていましたが大誤算。ウランバートル市内に入るとありえないぐらい渋滞しており、数キロメートル進むのに1時間ほどかかりました。どうやら常に渋滞しているようです。しかも最近ドラゴンバスターミナルの場所が変わったらしく、地球の歩き方で見た場所よりもかなり遠くなっていました。

大渋滞

当然バスの出発時間に間に合わず、どうしようかと考えていたところ、タクシーの運ちゃんが「もしかしたら別の目的地に行くバスが途中でカラコルムを通るかもしれない」と電話で確認してくれました。その結果、どうやら行けるバスがあるとの情報を得たので、予定通りバスターミナルに連れて行ってもらいました。

ドラゴンバスターミナル

発券スタッフは当然英語が話せないので、交渉はすべて運ちゃんにお任せしました。結果的にタクシーを利用していてかなり助かりました。こうしてカラコルムを経由する長距離バスになんとか乗ることができました。

カラコルム経由バス。どこ行きかは知らない

道中のサービスエリアのレストラン。日本の半額ぐらい

道中は大変すばらしい景色でした。馬と羊とラクダがたくさん

 

こうして20時ごろになんとかカラコルムにつきました。この日はゲルに泊まりたかったので、Booking.comで予約しました。かなり良かったのでオススメです。現地民ゲルに泊まりたい場合はAirbnbで探してみてください。

送迎してくれた車。モンゴルは中古トヨタ車がとても多い

宿泊したお客さん用ゲル

モンゴル式トイレ。モンゴルはどこもこれ

この宿でお世話になった方は、どうやら日本に留学していたらしいです。モンゴル滞在中には、日本留学してたよーという方と結構会いました。こういった方々とは簡単な日本語と英語が通じるので大変助かりました。日本とモンゴルはかなり親密なようですね。

疲れていたので、この日は早々に寝ました。

 

2日目

 2日目はカラコルム観光をしました。初めに、近くにある丘に登りました。この丘はかなり良かったので行くべきです。車道があり、車で来ている人もいましたが、悪路に強い四駆じゃないと行けなさそうです。

登ってる途中。普通に骨が転がっている

丘の上に標識あり。かなり面白い光景

丘を下る途中にある男性器のモニュメント。Google Mapで位置がわかります

 次にカラコルム最大の見どころ、世界遺産エルデネ・ゾーに行きました。こちらは、モンゴル帝国の首都であったカラコルムの故地に作られたチベット仏教の寺院で、カラコルム宮殿の建築資材を再利用しているそうです。

エルデネ・ゾーは正方形状の白い仏塔と外壁に囲まれており、中はかなり広いので、ちゃんと見て回ると2時間程度といったところです。

ソボルガン塔

名物の亀石。何個かあるので探してみるとよい

モンゴルは日本と仲が良いらしく、至るところにこれがあります

午後からは宿の人に個人ツアーを組んでもらい、Gokhturk MuseumとKhar Balgas遺跡に行きました。これらは車がないとアクセスできません。

Gokhturk Museumでは突厥文字の碑文が見られます。写真撮影は別料金(結構高い)ので注意です。モンゴル全般に言えることですが、施設や博物館での写真撮影が大体別料金で、大体が入場料より高いです。

突厥文字の碑文

道も何もない

Khar Balgas遺跡①

Khar Balgas遺跡②

遺跡以外に何もない場所で、ここで置いて行かれた死ぬな、と思いながら遺跡を巡っていました。写真には到底収まらないほど広大な遺跡で、一見の価値ありです。

 

こうして2日目は終わりました。この日は天気が良く、星が奇麗に見えたので載せておきます。ただしカラコルムは割と光害があるので、星を奇麗に見たい方はテレルジ国立公園などに行くと良いでしょう。

ゲルと星空

エルデネ・ゾーと星空

こうして一通りのカラコルム観光を終えました。

 

3日目

後の予定は決まっていませんでしたが、とりあえずバスでウランバートルに戻ることにしました。バスでは現地の子供に折り紙を作ってあげて仲良くなったりして楽しかったです。

 

バスに乗っている途中、どうやらウランバートル発の夜行列車があり、サインシャンドという東ゴビにある街に行けることに気づきました。しかも情報がほとんどない(地球の歩き方にも載ってない)ため、ワクワクでサインシャンドに行くことにしました。

 

次回、サインシャンド編。

 

海外でレンタカー会社に6万円近く詐欺られた話 in ブルガリア

これはなに

 2024年の9月にブルガリアで人生初の海外レンタカーをしました。その際にゴミレンタカー会社に詐欺られて6万円近く奪われたので、似たような被害者を出さないために備忘録を書きます。

 大前提として、ブルガリアはとても素晴らしい国です。悪いのは本記事で登場するゴミレンタカー会社だけです。

 

そもそも

 なぜブルガリアにいてなぜレンタカーを借りたのか、という話ですが、私は2024年9月に旧ユーゴスラビア横断の旅をしておりました。イスタンブールを出発して序盤のほうにブルガリアのソフィアにいたのですが、Mt.Vihrenという山に登るために、レンタカーを探していました。この時に某海外予約サイトB○○king.comを使ったのですが、他のレンタカー会社が数十ユーロ(1万円近く)する中、なんと11ユーロ(2000円しないぐらい)の激安レンタカー会社がありました。そう、それが憎き「BT Rent a Car」です。

 学生でお金がなかったのと、Booking.com上での評価はそこまで悪くなかったことから、私はまんまとこのBT Rent a Carで車を予約してしまいました......。

教訓1:海外でレンタカーを借りるときは評判をしっかり調べよう。予約サイトは当てにならない

予約サイト上は評判が悪くない。詐欺がしっかりしている

 

車を借りに行く

 予約した時間に車を借りに行ったのですが、なんと事務所が閉まっていました。意味不明すぎて、書かれていた電話番号に電話したところ、5回目ぐらいで電話がつながり、たどたどしい英語で「10分以内に行くよー」と言われました。

最低 car rental deal

 このレンタカー会社、もしかしてかなり怪しい?と思って、待っている間にインターネット上で検索をすると、、、


次々と悪い評判が出てきました。

 

BT Rent a Car詐欺被害者の会のFacebookグループも出てきました(リンク)。250人ぐらいいて面白い。

予約するとき風邪をひいていたので頭が働いていなかったのか。ちゃんと調べておくんだったとかなり後悔......。この時すでにキャンセル料は満額発生していましたが、高々2000円程度。この時点で引いておけばよかったのですが、(今考えてもなんで借りることにしたのか分からないのですが、今レンタカーをキャンセルしたら山に行くのは厳しくなるなーみたいな思考が働いた記憶があります)、まあ試しに借りてみるかと思って借りることにしました。

教訓2:怪しいと思ったら撤退しよう。多少の出費は勉強料

 

レンタカーを借りる

10分で来ると言っていたのに30分以上待たされ、BT Rent a Carの詐欺師スタッフがやってきたので、事務所でレンタカーを借りる手続きをしました。手続きは割としっかりしていて、国際免許証をチェックされたり、書類にサインを書いたりしました。ここでネックになってくるのが、海外レンタカーあるあるのデポジット。海外でレンタカーを借りるときは車が返ってくるまで保証として数万~数十万のデポジットを要求されます。デポジットは事故ったり違反したりしたら持っていかれます。日本いい国。

BT Rent a Carでも当然のように要求されました。その額は700ブルガリアレフ(6万円しないぐらい)と結構いい額です。ここで撤退するか悩みましたが、まあいっかとクレジットカードで払ってしまいました。

教訓3:撤退できるうちに撤退しよう

借りた車は、「この車多少こすったところで分らんだろ」というレベルのMTのボロボロの車でした。しかも軽自動車並みのパワーの5MT。ブルガリアは高速道路が法定速度140km/hなので、かなり心もとない車をあてがわれたなぁと思いながら、海外初運転で初左ハンドル5MT車を操縦していました。

 

閑話:ブルガリアめちゃくちゃ楽しいよ編

 こうして無事に(?)レンタカーを借り、ブルガリアで2番目に標高が高く、世界自然遺産ピリン山脈の中で最も標高が高いMt.Vihrenに行き、登山してきました。この山は山頂付近が全て大理石の一枚岩で構成されているとんでもない山で、最高でした。そのうち記事を書きたいと思います。

yamap.com

見事すぎる山容

その後、帰り道にある世界遺産リラの修道院に行きました。こちらも素晴らしかったです。

閑話休題

 

レンタカーの返却

 車を時間通りに返しに戻ってくると、なんと事務所が閉まっていました。詐欺師スタッフに電話すると、「そこに置いといてOK」と言われました。そんなことある?デポジットについて聞いたところ、「違反があったら違反金をデポジットから支払うため、返金まで2週間程度かかる」と言われました。これ返ってこないんじゃないか?(最初からわかってた)

 当然「傷チェックしないで後から言ってきても知りませんよ」とは言っておきましたが、適当に流されました。

置き去り


その後のやりとり

2週間経った後、一応「デポジット返せ」と連絡してみました。意外なことに、ちゃんと返信は帰ってきました。何回かのやり取りを経て、次のメールが送られてきました。

要するに傷があったから請求します、とのことです。請求額は以下の通り↓

デポジット全額じゃねえか。まあこの展開は返却時に誰もいなかったあたりから予想していました。ちなみに、変に律儀なことに傷の写真も送られてきました。

 

傷、どこにある???

未だにわかってません。こうしてデポジット700ブルガリアレフは返ってきませんでした。

 

教訓

似たような被害者を出さないためにも、再度教訓を提示します。

教訓1:海外でレンタカーを借りるときは評判をしっかり調べよう。予約サイトは当てにならない

教訓2:怪しいと思ったら撤退しよう。多少の出費は勉強料

教訓3:撤退できるうちに撤退しよう

正直、インドでこういうことがあっても何も疑問ではないのですが、ブルガリアでこういうことがあるというのは驚きでした。皆さんは、レンタカーするときは多少高くても大手レンタカー会社を利用しましょう。

ブルガリアは本当に自然が美しくご飯も美味しい素晴らしい国なので、皆さんもぜひ行ってみてください。私もMt.Vihrenとリラ修道院に行けたので割と満足です。BT Rent a Carは一生許しませんが。意味不明なことに今でも借りれるらしいので、絶対に借りないでください。

 

【標高4000mを超える高所体験】中国雲南省旅行のすゝめ 香格里拉(シャングリラ)編

これはなに

 2025年の1月に中国の雲南省を旅行してきました。昨年12月に中国ビザが解禁されたばかりなので、最新の中国旅行の肌感覚についても交えつつ、雲南省の旅行情報について記そうと思います。情報は2025年1月時点のものであることに留意。

 大理編、麗江編、香格里拉編に分けて書いてきた本記事も今回がラストです。アニメやゲームなどでもおなじみの理想郷シャングリラ、そのモデルはここであると勝手に解釈して改名した香格里拉(シャングリラ)市に行ってきました。

〇大理編

copynight.hatenablog.com

 

麗江

copynight.hatenablog.com

 

麗江香格里拉に着くまで

 麗江編の最後で電車に揺られて香格里拉に移動しました。香格里拉が近づいてくるにつれて、景色がだんだん白くなってきます。それもそのはず、香格里拉の標高はなんと3000m以上です。このぐらいの標高になると、高山病リスクが出てきます。香格里拉市近郊には空港があるので飛行機でのアクセスもできますが、昆明から徐々に身体を慣らしていくことをオススメします。

 香格里拉駅に着く少し手前で巨大なストゥパが見えました。香格里拉チベット文化圏なのでテンションが上がります。

車窓から見える大きなストゥパ

ついに香格里拉駅に到着しました。中国の都市部からはかなり離れたところまで来てしまいましたが、立派な駅です。駅の近くにバス停があり、そこから香格里拉市の中心に行けます。本数はそれなりにありそうなので、気にしなくても大丈夫そうです。

香格里拉

このバスで街へ向かう

 

香格里拉ご飯情報

 ビックリするほどご飯を食べる場所がないです。あるにはあるのですが、コスパが悪い or めちゃくちゃ中華料理です。せっかくチベット文化圏に来たのですからチベット料理が食べたいですよね?結構探して唯一見つけたのは以下の店です。ヤクミルクやモモなど、代表的なチベット料理をお手頃価格で食べることができます。香格里拉滞在中の食事はほとんどこの店で済ませました。

場所は百度地図などで調べてください

とてもおいしい

 

独克宗古城の観光情報

 独克宗古城は大理古城や麗江古城のような民家群です。かつてはこれまた茶葉古道の重要な中継地として栄えていました。個人的に見ごたえランキングを付けると、独克宗古城 > 麗江古城 > 大理古城といった感じです。普通に街中を散策するだけでも楽しいのですが、見どころスポットを紹介しておきます。

独克宗古城の中にあるストゥパです。独克宗古城の中にはこのような正方形状の広場が点々とあり、それらを直線状の道がつないでいます。このストゥパは比較的わかりやすい位置にあるので探してみてください。

世界最大のマニ車があります。数人程度では到底回せないので、人がたくさんいるときに回せるかチャレンジしてみてください。

マニ車があるあたりは少し高台になっており、独克宗古城が見渡せます。1月に行ったため、薄っすらと積もった雪が美しかったです。

 

松賛林寺

 以下の写真のスポットが境内への入口で、松賛林寺までは結構離れています。

入口でバスチケットを買う流れになると思いますが、実は徒歩でも行けます(30~1時間程度)。松賛林寺の前には池があり、反射する松賛林寺が奇麗なので徒歩も良いです。今回は行きはバス、帰りは徒歩で戻ってきました。

かなり大きなチベット仏教の寺院です。香格里拉に行ったら必見です。

 

石卡雪山

 翌日、朝イチで石卡雪山に行きました。石卡雪山は香格里拉の西のほうにある標高4500mの山です。様々なブログを見ていると昔は山頂まで行けたらしいですが、今は1年に1日しか山頂に行けないらしいです。今は最高で標高4449mまで行けます。現地に行くまで知らなかったため、結構ショックを受けました。

 ロープウェイを乗り継いでいくことで、簡単に山頂付近にアクセスできます。登山道もあるそうですが、今回は使用しませんでした。山頂のほうはすべて木道が整備されているので、(雪が積もっていない場合は)登山靴は全く必要ありません。歩いて下山する場合は必要です。

 

アクセス

以下の写真を見せてタクシーで連れて行ってもらいましょう。バスも出ているそうですが、本数&情報が少ない。奥に見えるのが石卡雪山の山頂です。

 入口で料金を支払います。2025年1月時点で220元です。結構お高いです。高速鉄道のチケットを見せると20%引きになるという噂がありますが検証できていないので、検証した方がいれば教えてください。

ロープウェイ

 ひたすらロープウェイに乗ること30分ほど、石卡雪山の山頂付近に到着します。これほど高所にあっさり到達できるのが中国のすごいところです。

木道がしっかり整備されています。奥に見えるのが山頂

こちらが(立ち入りが許可されている)一番高いところ。標高4449m

晴れていれば、チベットの名峰が見渡せます。なんと、あの梅里雪山を見ることもできます。梅里雪山は未踏峰の一つ。アクセスが悪すぎて今回は諦めましたが、いずれ麓まで行ってみたいです。

梅里雪山

以下の写真が山頂の手前です。柵が張ってあります。昔は柵の向こうまで行って登頂できたらしいですが、今は禁止されています。残念。

帰りは市街地までバスで戻りました。バスは1時間に1本程度らしいですが、田舎あるあるの気まぐれ運航の気配がしました。

帰りのバス

 

旅の終わりに

 以上の観光スポットに行けば、香格里拉市を満喫したといえるでしょう。日程に余裕があれば、ここから梅里雪山に行くもよしです。調査はしていないですが、車で片道2、3時間圏内で面白そうな場所もチラホラあったので、そういうところに行くのもよいかと。独克宗古城にはツアー会社がいくつかありました。

 今回は日程に余裕がなかったので、夜行バスで12時間かけて昆明まで逆戻りしました。

昆明行きバス


締め

 全3編に渡ってお送りしてきた「中国雲南省旅行のすゝめ」もこれで終わりです。短い日程からでも高所を満喫できる、非常におすすめの名所揃いです。大理編でも述べた通りの事前準備さえちゃんとやれば、(言語の壁はありますが)特に難所となる部分はないです。山が好きな方もそうでない方も、ぜひ雲南省に行ってみてください!

 

 

 

【標高4000mを超える高所体験】中国雲南省旅行のすゝめ 麗江編

これはなに

 2025年の1月に中国の雲南省を旅行してきました。昨年12月に中国ビザが解禁されたばかりなので、最新の中国旅行の肌感覚についても交えつつ、雲南省の旅行情報について記そうと思います。情報は2025年1月時点のものであることに留意。

 大理編、麗江編、香格里拉編に分けて書きます。今回は麗江編です。

〇大理編

copynight.hatenablog.com

 

香格里拉

copynight.hatenablog.com

 

大理~麗江に着くまで

 大理から麗江に移動します。大理古城は駅からそれなりに遠く移動が大変なので、大理古城から出ているバスを用いるのがオススメです。古城付近でバスチケットを売っているツアー会社は、バスの看板を出しているので分かると思います。今回は65元でチケットを購入しました。大理古城から麗江古城まではおよそ2時間程です。

 

麗江古城はお店が色々あり、雰囲気があって素敵でした。ただしばらく歩き回っていると気づくのですが、全く同じ商品を同じ値段で出す店が一定間隔でループしています。そのため、端から端まで歩き回る必要はあまりないです。雲南省全域で以下の地名が入ったヨーグルト飲料を多く目にすると思います。味はどれも大体一緒で美味しいのでオススメです。1本15元程度です。

さて、麗江古城を軽く散策して本日泊まる宿に向かいました。すると入り口に以下の看板がかかっていました。

「日本のお客様をご遠慮する」。過去におそらく日本人客と揉めたものだと思います。今更キャンセルするわけにはいかないので恐る恐るカウンターに向かうと、快く迎え入れてくれました。良かったーーー。この看板がある以外は非常に安く快適で良い宿でした。

 

玉龍雪山

次の日、5A観光地 (つまり中国でトップクラスに優れた観光地) であり麗江で一番の見どころでもある玉龍雪山に向かいました。玉龍雪山は1日当たりに国立公園に入場できる人数が決まっており、何かしらの手段でチケットを購入しないといけません。手数料もそこまで取られないので、何かしらのツアー会社に依頼するのが確実だと思います。今回はTrip.comで4000円程度でチケットを購入しました。チケットは普通に前日でも変えましたが、前日の遅い時間では完売していたので可能であれば余裕を持った方が良いかもしれません。バス+ロープウェイを直接買うと (現地に行くしか直接買う手段がない?) 140元なので、十分安いと思います。

ロープウェイ乗り場がある甘海子までは乗り合いタクシーで行くと良いです。紅太陽広場近辺まで行ってウロウロしていると、向こうから声をかけてきます。私たちは朝6時に広場のあたりまで行き、10分程度で声をかけてもらいました。乗り合いタクシーといっても普通の車です。

この看板が目印

大体1時間程度で国立公園入場ゲートの手前にたどり着き、そのあたりから混雑しています。これは、ここで国立公園入場料の支払いとパーミットを持っているか全員分確認しているためです。国立公園入場料は100元で、アリペイで支払いができます。大体タクシーを降りれるのは出発から1時間半後だと思えばよいでしょう。

国立公園入場ゲート

早朝に出発したことにより、見たかったモルゲン玉龍雪山に間に合いました。天気予報を入念に確認したため、天気もばっちりです。

モルゲン玉龍

甘海子の時点ですでに標高3000mあります。とはいえ緯度が低いためそこまで寒くはないです。ロープウェイ乗り場で酸素ボンベが買えます。私は買いませんでしたが、中国人は全員買っていました。値段は1000円程度だった気がします。個人的には、パッと標高を上げて高山病を発症する前(1時間以内)に標高を下げれば良いと思います。水は5元程度で安く買えました。

 

ロープウェイ乗り場には人の流れに乗っていれば着けると思います。ロープウェイは標高4506mまでおよそ1000m標高を上げます。中国はやることの規模が大きい。

 ロープウェイはおよそ10分程度。降りるといきなりとんでもない景色です。3つ見えるピークのうち中央にそびえるのが標高5,596mの玉龍雪山主峰です。地球温暖化による影響で、1月に行ったにも関わらず、雪はかなり少な目です。

 ここからは木道を歩いて標高4,680m (地形図を見ている感じ4,600mしかないような気が……) に向かいます。

ロープウェイを降りたところ。木道を歩く

健脚であれば大体3、40分程度歩けば4,680mの展望台にたどり着きます。ここからは主峰が間近に見えます。凄まじく人が多いので、のんびり堪能はできません。

この旅での最高標高

ここでの景色に満足したら、ロープウェイ乗り場に戻り標高を下げましょう。1時間半以上の滞在はリスクがあり、あまりオススメできません。降りたところから藍月谷という景勝地行きのバスが出ているので、天気が良ければ寄り道すると良いでしょう。上高地みたいで綺麗です。

上高地みたい

再び市内へ

その後バスを使って昼頃にロープウェイ乗り場に戻ってきました。時間に余裕があったため、麗江古城に戻る前にタクシーで束河古鎮に寄り道しました。ここは麗江古城の北西にあり、かつて茶葉古道の要として栄えた町です。観光客も少なく、のんびり回れるので良かったです。

入口の門

よくわかってないモニュメント

夜は麗江古城内にある獅子山という低山(といっても標高2000m以上ある)に行きました。山頂近辺に入場するのは結構良い値段がする上に、そこまで見るものも多くないので、入っても入らなくてもどちらでも良いと思います。私は学割で入りました。山頂には城があり、麗江古城の夜景は多少きれいに見えました。

山頂の城

麗江古城の夜景

城に行かずとも、夜の麗江古城は町並みが美しかったので、散策のしがいがあります。

 

2日間でおおよその観光は終わったので、翌朝はついに理想郷である香格里拉 (シャングリラ) に向かうことにしました。麗江から香格里拉まではそれなりに距離があるため、高速鉄道で向かうのが一般的です。古城から駅まではそれなりに距離があるため注意してください。駅の近くにはマックがあるため、時間をつぶせます。

香格里拉へGo!

次回香格里拉編に続く

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【標高4000mを超える高所体験】中国雲南省旅行のすゝめ 大理編

これはなに

 2025年の1月に中国の雲南省を旅行してきました。昨年12月に中国ビザが解禁されたばかりなので、最新の中国旅行の肌感覚についても交えつつ、雲南省の旅行情報について記そうと思います。情報は2025年1月時点のものであることに留意。

 大理編、麗江編、香格里拉編に分けて書きます。今回は大理編です。

麗江

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香格里拉

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中国 雲南省とは

 簡単に言うと、バカでかい中国本土のほぼ中央最南端にある省であり、ベトナムラオスミャンマーと国境を接しています。雲南省の魅力は多くありますが、いくつか挙げると、

  • 国際色が豊か (ラオスへの国際列車が出ていたり、西はチベット文化圏だったり)
  • 標高が高い(昆明ですでに海抜1800m以上、西の香格里拉・徳欽は市街地で海抜3300m、標高4000m~6740mの峰々がそびえる)ので行くだけで楽しい
  • 多くの少数民族(26族)が暮らすため、文化が豊か
  • 日本人が少ない(大事。今回の旅行では日本人の遭遇者0人)

といった感じです。

Google Mapより拝借

日程・移動経路

 雲南省観光の拠点・昆明への直行便は存在しないので、大体が上海か厦門トランジットになると思います。今回の簡単な行程を記します。

【1/5】 13:30 小松→15:40 上海、19:10 上海→23:00昆明(中国東方航空で15,000円。安すぎ)

【1/6】 空港泊、7:00の高速鉄道昆明へ(2時間半程度)→16:30のバスで麗江へ(2時間程度)

【1/7】 1日麗江観光(玉龍雪山、麗江古城など)

【1/8】 9:40の高速鉄道香格里拉へ。そのまま香格里拉観光

【1/9】 1日香格里拉観光→18:00の夜行バスで昆明へ戻る(12時間程度)

【1/10】 6:30 昆明到着→バスで石林へ→昆明の長水空港へ、15:00 昆明→ 18:00上海

【1/11】 11:45 上海→15:00 関空(吉祥航空で23,000円程度。まあ妥当)

というホテル3泊7日スケジュールです。結構ハードでしたが、割とちょうど良い長さでした。

今回の移動経路

 

旅行準備

 何といっても通信環境が大事です。中国は各種SNSやサービスが使えないので、現地SIMを使う方はVPNの準備が必須です。私は今回Ahamoを使いましたので、その辺の問題はすべて解決でした。繋がらない地域があるんじゃないかと若干不安でしたが、昆明から香格里拉まですべて繋がりましたことを記しておきます(通信は若干遅かったですが・・・・・・)。

 あと、中国は電子決済が基本、というか現金は不要なので、AlipayとWeChatを使える用意をしていきましょう。支払い方法としてクレジットカードが追加できます。中国のこういう形のアプリは基本全て電話番号認証が必須なので、中国に行って電話番号がないと詰みます。Ahamoで行けば、日本の電話番号(SMS)がそのまま使えるので便利です。

 一番おすすめの方法は、中国の電話番号付きのe-SIMを買うか、Ahamoで行くことです。というのも、現地でAlipeyなどを通じてクレジットカード決済を行う際に日本で使用している電話番号にSMS認証が飛んでくる可能性があるので(実例)、日本で使用しているSIMは挿しっぱなしにした方が都合がよいからです。この時にSMSに飛んでくる認証番号が分からないと詰みます。

 観光ビザは基本いらなくなりました(2025年1月現在)。ありがたい。

 雲南省は寒いので、防寒系はしっかり持っていきましょう。特に標高4000m以上の山に行きたい場合は必須です。私は今回、フリース、ウルトラライトダウン、そしてダウンを持っていきました。現地での最低気温は-10℃ぐらいでした。

 

出発~昆明に着くまで

 小松空港から初中国東方航空です。凄まじい安さなのでずっとLCCだと思っていましたが、どうやらフルキャリアだそうです。

機内食。ショボいけど美味しい

トランジット時間がそれなりにあったので、修論を書いていました。修論締め切りまで1か月を切っていたので、焦りがでてきます。

昆明空港に着いたのは23時だったので、空港で寝ました。地下一階に睡眠スペースがありますが、めちゃくちゃ椅子が固いので快眠はできません。無いよりはマシ程度です。

睡眠スペース

翌朝、昆明から大理に高速鉄道で移動しました。高速鉄道は睡眠スペースの椅子とは比較にならないぐらい快適で、大爆睡できました。費用も3500円程度と大変お得です。

高速鉄道。実質新幹線

大理市の二大観光地は崇聖寺三塔と大理古城です。これらについては、あまり特筆すべきところはないですが、崇聖寺三塔は駅からバスで1時間程度です。崇聖寺三塔は非常に境内が大きく、ちゃんと見て回ろうと思うと3時間以上はかかりそうですが、三塔と寺院の入り口までですと大体1時間半あれば十分に見て回れます。キャンペーンをしていたらしく、パスポート番号を書いたらタダで入れてくれました。本来は800円程度です。

ここのチケット販売を始め、雲南省では一切英語が通じないです。英語は1回も使っていません。最低限の中国語会話能力かGoogle翻訳が必須です。

境内地図。右半分を見れば割と満足です。

TOTOROの怪しいお土産

三塔。非常に見ごたえあり

崇聖寺入り口。地図で言うとど真ん中ぐらい。ここに来る頃には既に歩き疲れてます

大理古城はあまりにも人が多く、観光地の色が強すぎて、そんなに面白くないです。古城としての雰囲気を楽しみたい方は、麗江古城香格里拉の古城の方がオススメできます。食事できるところは古城内にたくさんあるので、ここで食事をすると良いでしょう。

五華楼。大理古城の真ん中に位置する

大理古城内で食べた刀削麺。500円程度

2つ合わせて大体半日あれば観光できます。雲南省は西に行けば行くほど面白いので、適度に切り上げて麗江などに進みましょう。

 

次回麗江編に続く

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【標高3000mの世界】山小屋バイト生活のすゝめ

これはなに

 2024年の夏(ほぼ8月丸々)に北アルプスの山小屋でアルバイトしました。たかだか一月程度アルバイトしただけの若輩者が山小屋で働くことについて語るのはおこがましいので、「学生の夏休みに山小屋でアルバイトしたいけど、どこの山小屋にすればいいか分からない、不安がある」半年前の自分のような人が、実際に山小屋バイトに応募して働くイメージが掴めるような内容にしたいと考えて書きました。文字だけだと読む気が失せるので、私がアルバイト中に撮影した写真を間に挟んでいます。

 結論だけ読みたい方は、一番最後の「山小屋でのアルバイト全体を通して」を読んでください。

槍ヶ岳から見たモルゲン槍穂高縦走路

 

応募動機

 そもそも何故山小屋で働こうと思ったかについて。主な理由は3つあります。

1.私は登山が好きで、頻繁に色々な山に登りに行ってます。今後の人生でも登山を続けていくことを考えた時、ただ人が用意してくれた環境や道を利用して山を登るだけでなく、登山という行為を支える側に実際に携わることに大きな意義があると考えたから

2.母が北アルプスの某山小屋で働いていた経験を知り、昔から関心があったから

3.ヨーロッパに長期旅行に行こうと考えていたが、私は割と浪費癖があるので、山小屋という環境はお金を貯めるのに適していたから

です。大学3年生ぐらいから行きたいと考えていましたが、学生最後の夏休みである今年に決意が固まり、応募しました。

中岳から見た滝雲

 

山小屋の選び方

 山小屋選びは本当に大事で、それぞれの山小屋ごとに全く異なる生活が待っていると思います。私が実際に山小屋を選んだ時の基準や、一ヶ月働いてみて考えた選び方について、以下に記します。

1.自分の好きな山・山域の山小屋を調べる

 これが初めに考えるべきことだと思います。長期間その環境から離れられないわけなので、自分の好きな山や山域にいるというのは、それだけでモチベーションに繋がります。また大体の場合は、休暇中はその山域の他の山に遊びに行けます。私の場合は、純粋に北アルプスが好きであることや、母が働いていた山小屋が北アルプスであったことから、北アルプス一択でした。とはいえ山小屋は多くの山にあるので、決め手がなければじっくり考えると良いと思います。

2.稜線の山小屋かどうか、標高などの環境

 次にこれが大事だと思います。一般論を簡単に述べると、稜線沿いの山小屋は大変景観が良いです。また、休憩時間中に気軽に稜線歩きが楽しめます。電波のつながりが良いことも多いです。稜線沿いの山小屋のデメリットは環境が過酷であることです。稜線というだけで標高が高いことが多く、高山病や体調不良などのリスク、下界に戻る難易度、天気の厳しさなどが格段に違います。また、稜線の山小屋は大体雨水を利用しているので、水の使い方を気にしないといけません。一方で中腹の山小屋などは沢筋であれば水は潤沢で、お風呂に毎日入れたりする場所もあります。また、比較的簡単に下界に戻ることもできます。ただ電波のつながりが悪かったり、展望は無かったりします。

 私は写真撮影が趣味であることもあり、標高3000m程度の稜線上の山小屋を選択しました。毎日眺められる素晴らしい絶景は何物にも代えがたいものでしたが、環境の厳しさは身をもって実感しました(それが楽しくもありましたが)。山小屋の環境選びについてはしっかり考えてください。

3.山小屋の形態・環境など

 ここまでくると、どこの山小屋でどんな生活がしたいのか、なんとなくイメージできると思います。その中から一つを選ぶとき、私が気にした方が良いと思うポイントは以下です。

ネットが通じるかどうか

空き時間はそれなりにあるので、その時間にインターネットを使いたいかどうかです。人によっては死活問題だと思います。電波は悪いけどWi-Fiがある小屋もあります。デジタルデトックスをしたい人はあえて電波の悪いところを選ぶとよいでしょう。電話で問い合わせれば教えてくれると思います。

小屋の規模

小屋の規模は非常に大事です。目安として、宿泊客のキャパシティ(ホームページ等に書いてあることが多い)が数十人程度のところは比較的小規模、数百人程度のところは大規模な山小屋と言っていいでしょう。小規模な山小屋のメリットは従業員が少ないため、様々な仕事を担当できる点だと思います。その分一人一人の能力が重要になってきます。また、宿泊する方もそこまで多くないので、慌ただしさはあまりなく落ち着いた雰囲気であることが多いです。大規模な山小屋のメリットは大体の場所が歴史のある山小屋であり、自分がそこで働けるというやりがいや、従業員や宿泊する方がとても多いので、様々な人との出会い・交流があることです。これに関しては個々人の好みの問題だと思います。

休憩時間や休暇について

山小屋によって休憩・休暇の形態はまちまちなので、気になるようでしたら電話などで聞くと良いと思います。重要な情報を一つだけ記しておくと、アルバイト単独での山行(例えば小屋の近くの山頂に行くなど)を許してくれる山小屋から完全に禁止されている山小屋まであります。山登りが好きな人にとっては死活問題だと思うので、問い合わせると良いと思います。

山小屋の形態について

山小屋によっては○○グループ、というようにグループ形態の山小屋もあります。その山小屋でアルバイトしている間は、休暇中にグループ内の他の山小屋に安く(あるいは無料で)泊れるということがあるかもしれません。

小屋の評判

山小屋によっては評判が悪いところもあります。深くは触れませんが、インターネット上で情報を集めるのも良いかもしれません。また、小屋によっては名物があるところもあります。そういったものに惹かれて、というのも良い理由だと思います。

給料について

給料の良い悪いは多少はありますが、大体どこの給料も実働時間に対してあまり良くないです(例外は富士山の山小屋など)。時給換算などは止めましょう。個人的には給料よりも自分がしたい働き方を優先すべきだと思います。

三俣山荘から見た鷲羽岳

 

応募してから出勤するまで

 ここまでくると、大体行きたい山小屋は絞られてくると思います。思い切って応募してみましょう。大人気の山小屋じゃない限りは、能力的な側面で落とされることなどはあまり無い印象です。無事採用となれば、いくつかの書面のやり取りが発生しますが、これは言われたとおりにやればいいです。

 山小屋に行くまでの間に、その山に登る装備や滞在に必要な荷物を揃えましょう。私が買ったものやオススメするものは以下です。大体20kgぐらいを背負って登りました。

大きいザック

普段の登山用では到底足りないと思います。私は80Lぐらいのザックを新しく買いました。

ウルトラライトダウン

非常にコンパクトになるし温かいしで大体着ていました。

カメラ

カメラを買うか悩んでいる人は、これを機に買いましょう。軽いと運ぶのが楽なのでオススメです。

喉薬、風邪薬、漢方、腹痛薬、痛み止めなど思いつく限り持っていきましょう。大体の人は何かしら体調を崩し、お世話になる印象です。

お金

休暇中に他の山小屋に遊びに行ったりできる場合は、他の山小屋の宿泊費で1万以上飛びます。また、おやつを買ったりお土産を買ったりすると、思った以上に大量のお金が飛びます。当然お金は下せないので、現金には余裕を持ちましょう。

逆にあまり必要なかったものは以下です。

趣味の物

重いと出勤が辛いので取捨選択しましょう。私は行く前はテントや本などを持っていくつもりでしたが、直前にほとんど置いていきました。結果的にそうして正解だったと思います。

汗拭きシート等

「4日に1回ぐらいしかお風呂に入らないし必要じゃないか」と思うかもしれませんが、4日に1回ぐらいしかお風呂に入れないような環境ではほとんど汗をかかないし匂わないです。汗拭きシートを持ってきていた同僚も、去るときに小屋に置いていったりしていました。私もほとんど使いませんでした。

雲の切れ間から沈む夕日

 

山小屋での生活

 業務内容には都合上触れません。生活について軽く触れます。

男女比

どこも大体1:1ぐらいらしいです。大規模な山小屋に行くほどその傾向だと思います。アルバイトも結構多いです。

同僚

大体山が好きで働いている人が多いので、山が好きな人は楽しく話せることが多いかなと思います。様々な年代の社員の方、アルバイトの方がいます。一、二癖ある人が多い印象です。

生活リズム

強制的に早寝早起きになります。私はかなり朝が弱いタイプだと自負しておりますが、強制的に早起き生活になるので大体一週間ぐらいで慣れます。

朝焼けの天狗池と逆さ槍

 

山小屋バイト全体を通して

 私自身は山小屋バイトを通して、ただ山を登るだけでは見ることができない景色、人々との交流、貴重な体験をさせていただき、非常に充実感のある夏でした。心から行って良かったと思っています。ただバイト中はそれなりに辛いこともありました。

 まず一つ目は、人間関係だと思います。私のいた山小屋は人間関係に恵まれ、基本的に楽しく自由にさせていただきましたが、それでも時にはストレスを感じることがありました。正直なところ山小屋バイトが楽しいかどうかは、自分が行くと決めた山小屋でのその年の人間関係が良いか悪いか、つまりほとんど運だと思います。山小屋は毎年大幅に人員が入れ替わるものなので、ある年に行ったときはとても楽しかったのに、次にまた同じ山小屋に行ったときは辛いというようなことも起きうると思います。また、大規模な山小屋では苦手な人とは関わらない、ということができますが、小規模な山小屋ではそうも言ってられません。当然、円滑なコミュニケーションを自ら実践する必要があることも、忘れてはいけません。投げやりで申し訳ないですが、こればかりは皆さんが行かれる山小屋で楽しい人間関係を築けることを祈るばかりです。

 二つ目は、かなり長期間同じ場所に拘束されることです。私はかなりあちこちに行くのが好きな気性なので、大好きな北アルプスとはいえ、一ヶ月も同じ場所にいるのはそれなりにストレスでした。気にならない人にとっては全く気にならないと思います。

 最後は、仕事中は写真を撮りに自由に外に行ったり、などは当然できないことです。天気が良い日の日の入り時間などは、まだ食器を洗っているときなどに悔しい思いをしました。たまに仕事を中断して外に景色を見に行く機会を頂き、とても感謝しています。

 これらを補って余りあるのは、私にとってはやはり山での景色でした。ここまでに貼った写真を見ていただければ、実感していただけると思います。

日が沈んだ後の淡い空

 また、山で生活しているという高揚感は他で味わえないものです。少し外に出れば雲の上、四方には峰々がそびえ、太陽がそれらを美しく照らします。北アルプスであればライチョウを探し求めてさまよったり、絶景を見ながらコーヒーを飲んだり。私のいた山小屋は(というかほとんどの山小屋がそうだと思いますが)、自分たちの食事は自分たちで作っており、私はかなり頻繁に料理を作らせてもらいました。やはり美味しいものが作れると非常に嬉しいですし、生活を営んでいる実感を得る、というのも気持ちが良いものです。


 以上を読んでワクワクした貴方は、山小屋でアルバイトする適性があると思います。この記事を読んで、来年は山小屋にアルバイトに行こうと思ってくれた方がいれば、大変嬉しいです。

追伸

山小屋で稼いだお金はヨーロッパに3週間行って全額消えました。余裕が出来たらそちらもブログに書こうと思います。

イスタンブール