【寮祭企画】エクストリーム帰寮のすゝめ

これはなに

 これは、エクストリーム帰寮2021 Advent Calendar 2021の5日目の寄稿です。京都大学熊野寮の1年に1回の祭典、熊野寮祭の(狂った)企画である「エクストリーム帰寮」に参加したため、その備忘録を記します。

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そもそも

 エクストリーム帰寮とは何か、ということですが、

熊野寮発で車で知らない場所に連れていかれる

・降ろされた地点から歩いて熊野寮まで帰ってくる

・地図やマップアプリの利用・財布の所持・ヒッチハイクなどは原則禁止

というシンプルな企画です。降ろされる距離としては、熊野寮から5km~250kmの範囲で様々で、中央値は30kmらしいです。30kmといっても歩くと8時間以上はかかることが予想されるので、非常に過酷な企画です。

 この企画には参加者を車に乗せて知らない土地に降ろすという「ドライバー」と、降ろされて歩いて帰ってくる「参加者」の二通りの参加方法があります。私はドライバーをした後に参加者として歩いて帰ってきたので、両方の立場を1日で経験したおそらく唯一の存在として分析を述べようと思います。

 

参加時のコンディション

 実のところ、参加者になるかどうかは直前までかなり悩んでいて、参加申し込みをしたのは車で輸送される1時間前とかでした。何故かというと、寮祭初日である26日は日付が変わった瞬間に私の企画した「1日1回大文字火床」という企画のために大文字山に3回登り、終了後ほとんど寝ずに時計台コンパやその他の寮祭企画に参加したため、睡眠時間がほとんど確保できていなかったこと、もう一つはエクストリーム帰寮の次の日に国家試験の受験が入っていたためです。

 睡眠時間の方は、ドライバーをやる直前に1時間の睡眠、参加者として輸送される車の中で2時間程度の睡眠を確保することで解決しました。国家試験の方は、歩きながら勉強すればよいと気付いたので参考書を持参しました。

 

ドライバーとして

 タイムズカーシェアでノアを借りて、2グループ計6人を輸送しました。1グループ目(1人)の方は30km、2グループ目(5人)の方々は35kmと聞いていたので、かねがね行きたいと思っていた茨木台ニュータウンの方面に降ろすことにしました。

 

〇1グループ目

1グループ目の方を降ろしたのは京都先端科学大学の亀岡キャンパスです。距離的にはそこまで間違っていないと思います。ちなみになんで車の最短経路で表示しているかというと、歩行の最短経路は35kmを超えていたためです笑。

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京都先端科学大学

 

〇2グループ目

2グループ目の方を降ろしたのは茨木台ニュータウンです。距離的にはそこまで間違っていないと思います、と思っていましたが、最短経路を歩いても+2kmぐらい多いです。参加者をやったら分かると思うのですが、このレベルの距離で+2kmというのはかなりきついです。降ろした人たちに後ろから刺されないか心配です。

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茨木台ニュータウン

 

〇総括

正直かなり難しい場所に降ろした気がします。何故かというと、

・車が来た方向・帰る方向が全く手がかりにならない

・道が無数にあるが、京都に抜けることができる道はほとんどない

ためです。降ろした人たちが無事に帰ってこれるかTwitterで不安になりながら(ワクワクしながら)見ていましたが、結局1グループ目の方は17時間ほど歩いて大阪でリタイア(?)、2グループ目の方々は2人リタイアしたものの、18時間ほど歩いて3人が帰寮成功していました。正直かなりすごいと思います。

 

 ちなみに茨木台ニュータウンは以下のような場所でした。かなりの山の中にあり、なんでこんな場所にニュータウンを作ったのかは謎でしたが、面白かったので良かったです。

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茨木台ニュータウン

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降ろした公園。怖い

 

参加者として

 2グループ6名の参加者を降ろし、車で帰寮した時には3時を回っていました。歩行者としての参加を決めたのはこのタイミングです。まずは支度をしました。

 持って行ったものは水2L、ピクミン、食料のりんご、国家試験の参考書と受験票、筆記用具、マスク、寝袋です。受験票と寝袋、筆記用具を持って行ったのは、国家試験の会場である大津で野宿し、受験したのちに帰寮しようという計画を当初立てていたためです。距離も試験前日の夜までに大津に着くことができるように大津+40kmでお願いしました。

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試験の参考書、食料のりんご、寝袋、ピクミンなど

 次に、エネルギー補給を行いました。これには寮祭企画「目覚まし亭」(ツイートでは名前を間違えてます。すいません)さんのラーメンを午前4時に頂きました。とても罪の味がしました。

 

そして午前5時ごろに輸送されました。どこに連れていかれるか分かったら面白くないというのと、かなり睡眠不足だったので車内ではずっと寝ていました。

 

 目が覚めると、降ろされる場所に着いていました。場所はすぐに分かりました。というのも、この場所は京都から石川県に帰省する際に毎回通るためです。なので、ルート策定の必要はありませんでしたが、よく知ってる場所なだけに絶望も大きかったです。

 目的地に着いて一番想定外だったのは雨が降っていたことです。これでは参考書がびしょ濡れになってしまうために勉強ができません。また、野宿もかなり厳しい条件となってしまいます。結局寝袋と参考書は使わなかったため、かなり荷重として負担になりました。

 

 ここから先はビワイチに沿う道を歩きましたが、私は自転車でビワイチをしたことがあるため残りの距離がおおよそ予測がついてしまい、かなり地獄でした。加えて雨によって体と荷物がつねにびしょ濡れの状態、体力は奪われるばかりです。雨の日エクストリーム帰寮は参加すべきではないです。そもそもエクストリーム帰寮に参加すること自体あまりお勧めできないのですが。

↑とても賢い。

 

 結局のところ、雨はずっと止まなかったので、野宿して試験を受けるのは諦めて熊野寮まで帰寮することにしました。といっても、雨の中を50㎞以上歩いただけなので、特に書くような内容もないのですが、食料を持っていくのは本当に大事です。大津のあたりでラ・ムーのパンを届けていただいたのですが、あれがなければ死んでました。あとはひたすら暇だったので、他の参加者の実況や、異常な速度で成長を続けるピクミンや、同日に1日で27回大文字に登ってる人のツイートなどを見ながら頑張っていました。

 

 そんなこんなで歩き終わった時には日付は回っていました。

 

〇総括

・雨の日にエクストリーム帰寮には参加すべきではない

・エクストリーム帰寮には参加すべきではない

・ドライバーで降ろしてきた人のTwitter実況を見るのは楽しい

ピクミンかわいい

 

全体の総括

 私は、エクストリーム帰寮にはドライバーと参加者の両方で参加すべきだと思います。何故なら、

・ドライバーをすることで、自分が降ろした参加者の実況を見ながら帰寮を頑張ることができる

・参加者を拉致する罪悪感が減る

・エクストリーム帰寮の予算でドライブできる

・ドライバーとして参加者を降ろすんだから、自分も頑張るべきである

といった理由です。皆さんも来年はドライバーと参加者の両方をやりましょう。私はもうやりませんが。

 

翌日譚

 帰ってきて3時間だけ寝て起きて勉強し、大津まで試験を受けに行きました。受かってる可能性はかなり高いと思います。ご飯を恵んでくれたりその他助けていただいた方々、運営やドライバー、参加者の皆様、お疲れ様でした。